2012年11月10日の12:30分、東京・水道橋のたんぽぽ舎2階に、全国の原発現地で反対運動をつづけている人々が集まりはじめた。私たちも初めて顔を合わす人がほとんどだ。「再稼働阻止全国ネットワーク結成集会」前段の討論集会が、13:00から3か所に分散してはじまった。
泊から岩内町町会議員の佐藤さん、東通から原子力行政を問い直す宗教者の会、女川は宮城脱原発風の会、福島はwawawa−環・話・和−の会の佐々木慶子さん、柏崎刈羽は近藤容人・刈羽村村会議員、東海第2からは東海村村会議員の相沢一正さん、横須賀(原子力空母が東京湾内に居すわり中)から市会議員の山城さん、浜岡からは鈴木卓馬さん、志賀原発から、いのちのネットワークの多名賀哲也さん、大飯・美浜・高浜からは 「さよなら原発福井ネットワーク」の中嶋多恵子さん、伊方からは「原発さよなら四国ネット」の堀内美鈴さん、玄海から石丸初美さん、川内からは鹿児島市議会議員の野上栄一郎さん、島根原発、大間原発からも駆けつけてきてメモが間に合わない。羽咋市の「座り込みテント村行動」からは請願採択獲得までの経過、ついに「寝た子を起こすにいたった」経緯が報告された。
これだけではない。原発建設をすべて阻止した和歌山県の反原発グループ、冨山の北陸電力前のテント闘争ならぬパラソルで雨雪をしのぎ、雪だるまとなりながら立ち続ける村上さんら個人参加も多い。岩手県で漁業に従事している男性は、福島の子供たちの一向に改善されない被曝状況を憂え、そのサポートを願って遠路参加した。福島では、わずか1年余りなのに異常発生率1%の旧ソ連のチェルノブイリの30倍、40倍以上の発生率が報告されている。
第一分散会はたんぽぽ舎の入るビルの4Fで三鷹市議の島崎さんの司会で進行した(参加55名)、第二分散会は同ビル2F(参加53名)、第三分科会は全水道会館で女性の司会で進行(参加45名)。各会場とも4時半あるいは5時近くまでそれぞれ三者三様の議論、今日までの1年8か月間の闘争の実績や成果を検証しつつ、新たに結成されようとしているネットワークの理念、行動指針への意見集約が粘り強く試みられた。
1時間ほどの休憩をはさみ、全員が5時からの全体集会(文京区民センター3A)に臨んだ。300人規模の会場は満員となり、たくさんの発言者から熱のこもったアピールと報告が行われた。議事は予定通り進行し、午後9時過ぎ、満場一致で結成宣言が採択され「再稼働阻止全国ネットワーク」が誕生した。
前日には被曝労働者の全国ネットも誕生している。再稼働阻止という一点に絞って全国の反原発運動体が大同団結するという、運動の上でも画期をなすこの歴史的な出来事により、再稼働阻止に向けた大きな力が現実化した。(H)
「11.10再稼働阻止全国ネットワーク結成集会」プログラム。
1、開会あいさつ (STOP・大飯原発再稼働現地アクション代表 長谷川初衣子さん)
2、あいさつ 鎌田慧さん(共同代表)
3、メッセージ紹介
広瀬隆さん、中嶌哲演さん、宮崎県延岡市 尾形周子さん、福井の石地さん他
4、分散会報告(三つの分散会場から)
5、特別報告
・福島 佐々木慶子さん
・規制委員会の動向 小川正治さん(プラント技術者の会)
・関西 新開純也さん(STOP・大飯原発再稼働現地アクション事務局長)
6、各地からの報告
(休憩 10分)
7、議案1 趣旨説明と組織・財政
8、議案2 当面の課題と行動(たんぽぽ舎・柳田真さん)
9、質疑・討論
10、アピール 被曝労働を考えるネットワーク 岩下さん
11、議案3 結成宣言
12、閉会あいさつ 淵上太郎さん(経産省前テントひろば代表)