「関西電力京都支店前の連続ハンガーストライキとリレー座り込み」報告

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 大飯原発再稼働が強行されようとしていた。
 北海道泊原発が停止する5月5日までに、何とか大飯を再稼働させたい。もし、夏を原発ゼロでのりきれたら、原発なくてもやっていけるではないか、という論調が高まってしまう。それはなんとしても避けなくてはならないという、国の強い意志が感じられた。
 4月14日には、枝野経産相が福井県知事に会いに行く。それ以外にも再稼働のための下準備が念入りに行われる。段取りは、万事快調、多少の「反対」はガス抜きにもなると折り込みずみである。みんなそのうち「仕方ない」とあきらめる、というわけだ。
 われわれは大飯原発再稼働に反対するのみならず、上のような社会の「空気」に対抗する。
 このような意識のもと、2012年4月18日よりJR京都駅前の関西電力京都支店前で、ハンガーストライキとリレー座り込みがおこなわれた。中心は槌田劭とNPO法人使い捨て時代を考える会。
 associations.jpも賛同した。76歳の槌田は、5月5日まで19日間、摂取するのは水だけというハンガーストライキを連続して行った(夜も続行)。
 4月18日にはじめた時には、5月5日に向けて大飯再稼働の動きが高まる中、どうやってこのハンストをたたんだらよいのか、全く予想もできなかった。
 しかし、それが動きを作るということである。
 口には出さなかったが、みんなその意識を持って取り組んだ。
 5月5日に泊原発がとまり、大飯原発の再稼働もなく、その日の夕方、座り込みの現場で集会を開けた時には、信じがたい思いで、不覚にも涙が出た。約200人が京都駅前に集まった。本当に多様な人が集まった。学生、30〜40代の子育て中の女性、NPO、NGO、協同組合専従者、研究者、さまざまな政党の議員、東本願寺、取材に来たTV、新聞、ネットメディア……。
 通算して、座り込み現場に190人が来訪し、のべにして400人が座り込みに参加した。同時に集めた1000万人脱原発署名も5000筆ほど集まった。
 終わってみれば、望んだ最上の形になった。しかし、あくまで結果論である。しょんぼりしたかたちになる可能性だってあったのだ。大飯原発再稼働の動きはいまも続いている。これからもこのプロセスの連続であり、その中で、具体的な運動を創造していく必要があるのだろう。(吉永剛志)