心配された天気も回復し集会開始の14:00には集合場所である日比谷公園・中幸門内の広場は参加者の群れで埋め尽くされた。他の催しに動員されているのか、労組のノボリはあまり目につかない。大半は一般参加者のようであった。さまざまなアピールの後、14:46分に黙祷が捧げられ、デモは予定通り15:00に出発した。交通渋滞に配慮して、およ500名ごとにデモ隊を分断し、集会前にはそれが5つのブロックになると大まかに見積もられていた。しかし、参加者は増え続けたのだ。われわれは2番目のブロック(第2梯団)の半ばに位置して東電前目指して出発したが、責任追及とすべての原発の廃炉を求める意思表示を行いつつ本社前を通過して数寄屋橋の交差点にさしかかったところで、警官隊にさらに分断された。理由を問うと、第2梯団はすでに1600名あまりに膨張しているので交差点を渡り切れないとの返事であった。膨れ上がるデモの勢いをさらに実感したのは、およそ1時間後である。出発点近くに戻ってきて、次は経産省へと向かうコースへ入ったのだが、中幸門からはまだ続々とデモ隊が繰り出し続けているのに出会ったのだ。
主催者の発表ではデモ参加者は14,000人とのことであったが、さらなる驚きはデモ終了後に「国会を囲もうヒューマンチェーン」アクションに参加した時にやってきた。国会議事堂の敷地にそってヒューマンチェーンをつなぐ試みが当局によって禁止されたので、その外側を、すなわち車道を隔てて取り囲み始めたのだったが、陸続と人々は参加してきた。夕闇が迫り始めたころ、17時40分くらいだったと思うが、何千人もの参加者によって余裕でヒューマンチェーンは完成した。しかしながら参加してくる人波はなおも途切れることなく続いていた。静かな力強い脱原発の意思表示が共有され、感動が伝播していった。小雨がぱらつき始めたが、デモに引き続いて参加した人々は日比谷公園で配られたローソクに火を灯し始めた。上空をヘリがさかんに旋回していた。そこから撮ったであろう写真を是非公開して欲しいものだ。(H)