昨年の6/30−7/1、雨中を32時間にわたって大飯原発ゲート前で展開された再稼働阻止行動は、その後の全国の反原発運動に大きな勇気を与え、再稼働阻止全国ネットワークの結成にも結びついたのだが、今回の二日間にわたるイベントならびに全国集会と再稼働反対デモは、その一周年という意味合いもあった。
29日には小浜の名刹、明通寺境内における音楽フェスタ「若狭ゆずり木音楽祭」と講堂での講演会が行われた。また客殿では並行してドキュメンタリーの上映と交流会が進行していた。午前から始まっていた音楽フェスタ会場に午後3時頃到着したが、去年のゲート前とはうって変わった様子だった。若いミュージシャンたちの表現は一過性の闘争ではなく、命のあり方を考え、パンフにある通り〈原発立地地区の抱える問題を見つめ、感じ、考え方や違いについて共有するきっかけ〉を模索していた。この1年で運動は厚みを増したのだ。
http://www.yuzurigi.musicadeira.com/
30日は、大飯原発のあるおおい町の大島公民館に全国から人々が参集し、交流会と集会、その後原発ゲート前までのデモへと行動が続いた。
集会の始まる2時間前に公民館へ着いたのだが、建物内はすでに満員で、スピーカーを外に設置して、入れない人々が駐車場で腰をおろして建物内の話が聴けるよう準備が行われていた。
集会が始まるまでの時間を利用して、われわれは、この大島地区に古くから伝わる「ニソの杜」を訪ねた。この1年で4回福井の反原発行動に参加したが、われわれの運動も厚みを増しているのだ。「ニソの杜」とは、大島地区の開発にあたった24家の先祖を祀っていると伝えられ、全部で32箇所あるそうなのだが、祭祀は11月22日または23日に、家ごとにあるいは複数の家が集団で行うという。柳田國男によって、この「ニソの杜」こそが日本の神社の原型であると説かれている。
時間の関係で地元の人々に教えられながら2か所探し当てるのが精一杯だったが、それらから受けたインスピレーションは自分たちの運動を根っこのところで鼓舞してくれたように思う。
公民館の駐車場に戻り、炎天下であったが、さらに増えた人々とともに、スピーカーから聞こえてくる集会での発言に耳を傾けた。鎌田慧さんから始まって、再稼働阻止全国ネットの柳田さんや、全国の原発現地からの声、そうして経産省前テントや各地の地道な運動体の人々の話など。
そうして15時からは原発ゲートまでのデモが開始されたのだが、警察の対応はものものしかった。海上には警備艇と巡視艇が出動していた。
http://anti-restarte.jugem.jp/